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貸金業法改正

社内勉強会

内閣府、日銀「賃貸住宅バブル」を警鐘、相続税対策・低金利で着工が急増


マイナス金利政策の副作用、保険会社商品一時停止

日銀は、平成28年1月29日に金融政策会合で異例のマイナス金利政策を導入し1年が経ちました。商業施設などの不動産向け融資や住宅ローン市場などが活発となる一方、保険会社などでは、資金の運用が難しくなった保険商品の販売を一部停止するなど副作用も浮き彫りとなりました。
住宅ローンは、過去最低金利を更新し、得に借り換えニーズが急増。大手金融機関5行によると、平成28年3月の1ケ月、住宅ローンの借り換え申込み件数は、前年同月から3.6倍の約2万400件に上りました。
ただ、同年暮れには米新大統領への期待、幻滅もあり長期金利は上昇傾向。新規の住宅ローン契約、借り換えニーズは鈍化してきています。


副作用は地銀の収益にも

金融庁によると、全国の地銀と埼玉りそな銀行を合わせた106行の平成28年9月の中間決算は、最終的に利益総額が前年同期比14%減と金融政策の副作用も表面化しました。得に地銀は企業や個人への貸出金利を下げざるを得ず、利ざやが縮小、収益が圧迫されました。
住宅産業、金融機関など円安、株高、世界中の経済情勢の影響が大きく作用し波乱の1年でした。

一方、新設賃貸住宅の着工戸数は急増しており、国内の人口が減少するなか供給がニーズを大きく上回っている感があります。内閣府のリポートによると、低金利に加え、相続税の節税対策を背景にした賃貸住宅の建設バブルの発生に警鐘を鳴らしています。


低金利、相続税対策で住宅着工持ち直し

住宅着工件数は、平成26年4月に消費税率が8%に引上げられ急減しましたが、平成28年以降は日銀の異次元・マイナス金利金融政策もあり急速に持ち直しています。
低金利、節税対策のほかに不動産業者や個人が投資の一環として賃貸住宅を建設、購入する動きが目立ちます。マイナス金利で賃貸住宅を購入し、貸出すことにより家賃収入を得る考えです。
内閣府同様に日銀も投資加熱で賃貸住宅バブルと言える事態にならないか警戒しています。平成29年1月の日銀支店長会議では、個人投資家が増加し、競争が激化して家賃が下落しているとの声が相次ぎました。


実態を伴わない住宅着工は維持困難

国土交通省の住宅着工戸数をみると賃貸住宅が牽引役となり、先行き節税ニーズの高まりが支えとなることが予測されます。ただ、実態を伴わない賃貸住宅の着工は、空室率の上昇など維持することが困難となってきます。
国立社会保障・人口問題研究所(東京都千代田区内幸町:所長 森田 朗氏)の人口予測によると平成28年〜32年の25〜39歳の人口は3,009万人。前期に比べ320万人減少することが予想され、30〜39歳では団塊ジュニアが40歳代に移行し大幅に人口が減少します。
安倍政権の外国人就労者の入国緩和が住宅着工増に繋がるのか構造の変化をリスク要因に注視するべきでしょう。

[2017.2.2更新]

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