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2007/09/27
 2007/09/27 復活メルマガ第四弾


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■□    CRIメルマガ 『セントラル事業再生レポート』

              復活メルマガ第四弾!


   ≪事業再生と敗者復活〜再生相談4,000件の相談現場レポート≫


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━ 自宅兼店舗をいったん手放して、事業再生したケース(3)

『サービサー交渉』

 自社ビルを持つ酒屋業・Y商店の事業再生も今回で3回目。最後にサービサー
の活用をご紹介して、再生への道筋を示したいと思います。

 都内の商業地区で酒屋業を営むY商店の店主Yさん。バブル期に建てた1階に
店舗、2階から7階が賃貸マンション、そして最上階に自宅という自社ビルを
協力的第三者に売却し、賃借人として住み続ける道を選びました。酒屋業も
債務の返済さえなくなれば事業として成立することがわかり、会社をリストラ
されていた息子さんが新会社をつくって事業譲渡することになりました。
 今回はこのケースの最終回。旧会社とYさん自身に残った残債をどう処理
するかです。

1.サービサー交渉
 自宅を協力的第三者に売却したYさん。実勢価格は大幅に下がっています
から、売却後もローンの残債があります。これを金融機関に握られたまま
では、本当の意味での再生とはいえません。
 ところがYさんは、新会社の契約社員となり、以前ほどの収入はなくなり
ました。また旧会社も優良部門を新会社に事業譲渡しましたから、ほとんど
収入はありません。
 つまりYさんは、個人としてもY商店の経営者としても、残債を「返さない」
のではなくて「返せない」状態です。これを金融機関にしっかりとアピール
することが大切です。
 金融庁の指導により、金融機関は回収の見込みのない債権を長期間保持でき
なくなりました。そこで金融機関は、Yさんの債権をサービサーに譲渡せざる
を得ません。サービサーとは債権回収会社のこと。Yさんは、ここでこの債権
についてサービサーとの交渉となります。
 普通、担保のない債権(ポンカス債権)は、額面の数%で償却されます。
つまりYさんは、その額に+数%(通常は計5%程度)を支払うことで債権を
買い戻すことが可能なのです。
 サービサーは、不良債権の処理に困った金融機関を救うためにできた法律
ですが、うまく使えば、債務者の救済にも繋がります。数億円もあった自社
ビルの債務が、サービサー交渉時にはその数%になっているのですから、
Yさんにとっても朗報だったのです。

2.自宅の買い戻し
 こうやって債務を圧縮し、新会社で3、4年営業を続ければ、Yさんと
息子さんのもとには自社ビルの買い戻し資金と信用が蓄積されます。
実はYさんは、賃借人となった後も賃貸マンションの「管理人」として
働いて収入を得ていたのです。
 債務は圧縮、事業は新会社で継続し管理人としての副収入も得る。そして
近い将来、息子さんは新会社の経営者になれる。つまりこの方法は事業継承
でもありました。
 こんな魔法のようなやり方で、Yさんは5年後には自社ビルを買い戻し、
見事に復活を遂げました。

 如何ですか。どんな苦境でも、やる気とやり方で必ず「再生」の道は
開けます。
 皆さんもしっかり学んで、「借金なんかに負けないで」下さい。


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