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2007/11/30
 2007/11/30 復活メルマガ第八弾


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■□    CRIメルマガ 『セントラル事業再生レポート』
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   ≪事業再生と敗者復活〜再生相談4000件の相談現場レポート≫
         
発行:株式会社セントラル総合研究所
http://www.sodan.info/
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現場レポート
 『プレパッケージ民事再生編』〜其の壱〜

 師走を前に世間を騒がせた事件の1つに、「駅前留学」のキャッチフレーズ
で上場も果たし、約40万人の受講生を抱える英会話学校NOVAの倒産が
ありました。
 多くの受講生は授業を受ける権利を剥奪され、講師たちも賃金支払いのま
ま放り出される―――。
 私腹を肥やした経営者はついに現れず、最悪の倒産パターンを見た思いです。

 その一方で私たちは、バブル型の経営難にあえいでいた通信教育企業(H
学院)をプレパッケージ型民事再生の手法を駆使して見事再起につなげた事
例を持っています。
もちろん紆余曲折はありました。けれど受講生も講師もこの学校から離れる
ことなく、今は以前と変わらぬ授業、経営が行われています。

●両者の違いはどこにあるのか。
 この事例から「ターンアラウンドで何をどうやって守るのか」ということ
を語っていきましょう。

『何のための再生なのか』

 「皆さん、今回の騒動の最大の被害者は受講生たちです。受講料を前払い
している彼らもまた債権者であり被害者です。彼らの債権を守ることが私た
ちの最大の使命であり、再生のポイントであると信じています」 
 昨年暮れ、約20行にも及ぶ金融機関を集めた「再生説明会」で、私はそう
語りました。
 集まっていたのはH学院の債権者たち。民事再生法に申請する場合このよ
うな説明会は必須ではありませんが、この案件では全行に対して「何をどう
ターンアラウンドするのか」の説明が不可欠だと思ったのです。この席で、
私はH学院に対して「プレパッケージ型民事再生」を申請することを説明し
ました。
 受講生の授業権を守るためには、まず講師たちの賃金未払いを解消するこ
とが急務です。社員たちのモチベーションを維持するためにも、遅配になっ
ていた給料を一刻も早く支払わなければなりません。
 その2点をDIPファイナンスで乗り切り、そこから再起を目指すことに
全行納得していただいたのです。
 H学院の経営者が私たちのオフィスに相談に見えたのは10月。そこから
2カ月間のデューデリジェンスの結果、経営者も「自分の立場や私財を守る
よりも学校の存在と受講生の授業権、そして講師や社員の雇用を守ることが
先決」とやっと気付いてくれました。
 金融機関の協力さえ得られれば、このやり方で再生できる。私たちの熱意
が通じ、金融機関も納得してくれました。

 もう1つ問題なのは、民事再生になると金融債権だけでなく、長年お世話
になった業者の債権も一律カットになることです。
 中小零細業者の場合、共倒れの可能性も出てきます。そこで弁護士と相談
し「債権は97%カット、ただし50万円以下の債権は全額支払う」という
案を裁判所を通じて、理解してもらいました。これを金融機関にのんでもら
った結果、中小零細業者への迷惑も最小限にくい止めることができました。

 もちろんこれができたのは、まず「何を守るのか」をはっきりさせた救済
スキームを組み支援者を探し、弁護士とも相談しながら民事再生法を活用す
る。そして、それを支援した下さった方のお陰です。
 これが私たちターンアラウンド・スペシャリストの仕事です。
 NOVAの例を見ていると、苦境に陥りながらも経営者は保身ばかりを考
え、企業幹部も経営者のイエスマンでターンアラウンドという概念が欠如し
ていたのです。その差が、受講生たちの授業権維持という形で現れました。

 H学院の全受講生1万2千人中、民事再生後に離れていったのはわずか1
人でした。講師も離脱せずに授業に励んでくれています。
 ここからH学院の再生が始まったのです。

次号で実際の再生過程をご紹介致します・・・。

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