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2007/12/17
 2007/12/17 復活メルマガ第九弾


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■□    CRIメルマガ 『セントラル事業再生レポート』
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   ≪事業再生と敗者復活〜再生相談4000件の相談現場レポート≫
         
発行:株式会社セントラル総合研究所
http://www.sodan.info/
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現場レポート
 『プレパッケージ民事再生編』〜其の弐〜

 プレパッケージ型(あらかじめスポンサーを見つけておく方法)の民事再
生で生徒の授業権を確保し再生に向かって確かな歩みを始めた通信教育のH
学院。それにしても何故経営が傾いてしまったのか。
 何故もっと早い段階でターンアラウンドに向かえなかったのか。
 今回は経営者の「気づき」のポイントを語ってみましょう。

●経営者の「気づき」のポイント

 「あなた、もう(経営にしがみつくのは)諦めなさい―――」
 H学院のK社長の前で、はっきりとそう言って引導を渡したのは実は奥様
でした。その時K社長はその言葉を背中で聞きながら、無言のままに可愛が
っている金魚に餌をやっていました。そうする以外、感情のやり場がなかっ
たのでしょう。

 ◎経営者にいつどんなタイミングで身を引かせるか。
 ◎ターンアラウンドに向かわせるか否か。

 再生を考えるときには、それが一番難しいポイントです。

 K社長は、その決断ができずにずるずると月日を重ねてしまい、側近がな
んとかやりくりを繰り返しながら後戻りできない状態に陥っていたのです。
 そもそもバブル期前までは、H学院は無借金経営でした。ところがメイン
バンクが貸し込みを行い、そこからK社長は株や不動産投資を始めます。そ
してバブル崩壊と共に資金繰りが悪化し―――。

 過去にはこんな事例はたくさんありましたが、今やこれが最後のバブル型
破綻と言ってもいいと思います。何故こんなにも腐った経営を引きずってし
まったのか。その理由の一つは、メインバンクの悪行にあります。
 「他行に融資を申し込むときは、御社の決算書のここをこう変えてくださ
い。不良債権化した不動産を所有している関連会社の決算書は絶対に見せて
はいけません」とメインバンクの担当者は、H学院の経理担当者に教えたと
いいます。つまり、自行の債務の返済原資を他行から借りさせるために、粉
飾決算の手引きをしていたというわけです。
 その結果、H学院は全17行に対して17通りの決算書をつくり、融資と
返済を繰り返しながら生き延びていました。

 「K社長、これは犯罪ですよ。」

 デューデリジェンスの結果、粉飾決算が判明した時、私ははっきりとそう
申しました。そしてH学院をこの窮地から救い出して再生に向かわせるため
に、奥様をお呼びしてはっきりと宣告していただいたのです。身内から言わ
れることで、K社長もやっと私財をなげうって生徒の授業権を守ることに納
得してくれました。
 この瞬間に、K社長はNOVAの猿橋元社長の轍を踏まずにすんだのです。
 バブル期に貸し込んだ銀行は悪い。粉飾決算を勧めたメインバンクはもっ
と悪い。けれどそれを言っても始まりません。経営者の決断のなさはもっと
致命傷です。早く経営者に「気付かせる」こと。本気で再生に向かわせるこ
と。そう仕向けるのがターンアラウンド・スペシャリストの最大の仕事です。
 この気づき以降、K社長は一転して私たちのコンサルに対して素直になり
ました。ここから銀行行脚を繰り返し、再生へのスタートを切ります。
 
 それはまた3回目でお伝えします・・・


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