メールマガジン


2008/04/01
 2008/04/01 復活メルマガ第十七弾


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■□    CRIメルマガ 『セントラル事業再生レポート』
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   ≪事業再生と敗者復活〜再生相談4000件の相談現場レポート≫
         
発行:株式会社セントラル総合研究所
http://www.sodan.info/
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CRIセミナー〜其の弐〜

 前回に引き続き、2月29日に行われたセミナーの中から報告します。
 今回のメルマガテーマは「中小企業対象のM&A」。大手企業と異なり、株
主も経営者も社員も三役が全て一体となっている中小企業において、現実的に
M&Aはどう行われているのか。事業再生においてどんな使い方があるのか。
何を売って何を買うのか。そんな基本的なポイントからお伝えしたいと思いま
す。

 最近、弊社に相談に見える経営者の中でこんな発言がよく聞かれるようになり
ました。
「事業の一つをM&Aで売却しようと思います」―――。
 一昔前なら「身売り」とか「会社乗っ取り」といったイメージすらあったM&
Aですが、そういった暗さは払拭されつつあり、隔世の感があります。
 事業を売る側の論理は大きく分けて二つあります。「事業継承者の不在」そし
て「自社の廃業」です。廃業してしまったら今まで築いてきた事業も雇用も失う
ことになりますが、M&Aによって第三者が事業を継続することになれば、それ
は広義の「事業承継」という見方もできるのです。
 一方、買う側には「企業の成長の時間が買える」「事業効率が買える」「設備
・資産が買える」といったメリットがあります。関東を拠点とする居酒屋チェー
ンが関西に進出しようとする場合、一つ一つ店舗を立ち上げるよりもすでに関西
にあるチェーンを買収した方が時間的にも効率的にもはるかに有利です。
 この時、買収する企業の価値をどう判断するか。ポイントは3つあります。
「清算価値」「継続価値」「費用価値」。売却対象の企業の資産を全て清算した
あとでどんな価値が残るのか、それが清算価値。事業を継続した時にどれくらい
キャッシュフローが出るのか、それが継続価値。もう一つは同じものを新規に立
ち上げようとする時にどれくらい費用がかかるのか。前述の居酒屋チェーンの場
合、仮にキャッシュフローは出ない、資産と負債を比べたらマイナスだというケ
ースでも、同数の店舗を新たに出店する際の時間とコストを考えたら費用価値は
あると判断できる場合があります。
 さらに大切なのは「定性価値」という見方です。これは売買する企業のポジシ
ョニングや同業種同士か異業種同士かによっても変わります。先の居酒屋チェー
ンを例にとると、買い手である関東の居酒屋チェーンにとっては、関西に残る前
の名前やイメージはマイナスです。ところが買い手が食品製造会社で新たに居酒
屋チェーンを展開したい場合だと、全くの新規参入よりも少しでも知名度のある
ほうが逆に有利となります。
 このように、買い手と売り手のポジショニングは、価値を決める大きな基準と
なります。ポジションの違いによって価値基準も変わってきますから、やっかい
な代物でもあります。
 私たちは売り手企業に対しても「セルサイドデューデリジェンス」を提案しま
す。デューデリジェンス(企業精査)とは、過去の業績を明確にし、財務上の問
題点やリスクの評価、さらには人事問題の検討など、企業としての価値や弱みな
どをあらかじめ把握することです。買い手企業ももちろんデューデリジェンスを
かけてきますが、売り手自身が自分の企業価値を正確に知ることが大切です。こ
のような価値の摺り合わせができて初めて、売り手と買い手は同じ土俵に乗るこ
とができます。さらに、売り手にとっては相手の関心事項に対する解答を用意し
ておくことによって、交渉を有利に進めることも可能となります。
 しかし、買い手と売り手のスケジュール感覚の違いが大きな障害になるケース
があるので、売り手と買い手との密接なコミュニケーションがポイントです。
 売り手側は不安定要素を早期に説明することが求められます。また、買い手側
が尊大な態度で臨んだことにより失敗に陥るケースは少なくありません。お互い
を信頼し合えてこそ、円滑な事業継承が可能になるのです。時には幹部社員や一
般社員を集めて食事会や飲み会を開くのもいいでしょう。
 M&Aという手法には、今新しい光が当たっています。必ずしも安易な手法で
はありません。そのことを承知した上で、企業の成長戦略の一つ、事業再生の手
法の一つとして、考えていただきたいと思います。
 私たちが手がけるのは債務超過の企業でも可能なM&Aや事業承継です。事業を守
ることを決して諦めないでください。



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