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事業再生の現場から

(163)「ナシ」が良いとは言い切れない!
    〜償還請求権なしのファクタリングのデメリット

ファクタリングのデメリットとは

ファクタリング前回は「売掛先の倒産などによって資金が回収できなくても、売掛元の企業は一切お金を負担する必要がない」という償還請求権なしのファクタリングのメリットについてお伝えしました。
逆に、償還請求権なしのファクタリングのデメリットはどのようなことが挙げられるでしょうか。

売掛先の倒産のリスクがない償還請求権なしファクタリング
償還請求権なしのファクタリングでは、売掛先の倒産というリスクを心配する必要がないので、利用者は安心して利用できます。
ただし、一方のファクタリング会社にとっては、不良債権を抱えるリスクが大きい取引です。
このため、償還請求権ありのファクタリングに比べて、償還請求権なしのファクタリングの方が、手数料が高くなるというデメリットがあります。

手数料は信用状態により変動
ファクタリングの手数料については、一律に○○%などと定められているわけではありません。
売掛先の信用状態などによって手数料が異なります。
また、先にお伝えしていますが、売掛先企業の信用度が著しく低い場合は、債権の買い取りを断られる場合もあります。

償還請求権があるファクタリングは代金支払いのリスク
償還請求権があるファクタリングは手数料が低いのですが、売掛先の倒産時にこちら側が代金を支払わなければならないというリスクがあります。
以前はこの形式の取引が一般的でしたが、ファクタリングを利用する企業が増えるにつれて、償還請求権なしの取引ニーズが高まってきたため、現在では償還請求権なしのファクタリングの提供が増えてきました。

償還請求権があっても悪いファクタリングとは言えない
注意しなければならないのは、回収リスク(貸倒リスク)が移転せず、ファクタリング会社に償還請求権があるからといって、一概に悪いファクタリング取引とは言えないということです。

回収リスクが移転し、ファクタリング会社に償還請求権が発生しない場合、当然取引上の掛目等に貸倒れリスク分のプレミアが加算され、その分コストが上がります。
また、銀行や得意先等外部の第三者に知られたくない場合には債権譲渡の登記をしない方法でのファクタリング取引になるため、その場合ではほとんど償還請求権のある契約形態になります。

ファクタリング契約の内容が合致することが重要
重要なのは、ファクタリング取引を利用する企業の要望(コストを抑えたい、第三者に知られたくない、貸倒れリスクを移転したい・・・等)とファクタリング契約の内容が合致していることです。
そのため、ファクタリング取引を行う際には、ファクタリング業者に対して明確に要望を伝えた上で、提案されたファクタリング契約がそのニーズに合致しているか確認する必要があります。


[2017.6.22配信]

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