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事業再生の現場から

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(19)「法人税引き下げ」への期待はいかほどか?
  〜決算に備えて税制改正大綱のポイントチェック〜

世界一高い法人税、減税へ
お正月ムードもすっかり落ち着き、「また1年、無事に年を越すことができた」とほっとしたのも束の間、決算の対策に頭を抱えている方も少なくはないでしょう。
企業の1年間の業績をはかる決算。経営者としては、赤字は避けたいもの。とはいえ、「黒字だからといって安心できない」という声は多く上がることと思います。つまり、黒字の先に控えているのが法人税の納付です。法人税が原則非課税になる社団法人・宗教法人・学校法人などの公益法人は別として、一般的な事業法人は利益を上げた分、税金を納めなくてはなりません。
日本の事業法人は地方自治体に対して「法人税」「事業税」「法人住民税」を納めています。そのほか、固定資産税や、従業員などの給料、報酬から天引きする源泉徴収税も納めます。その納税額は利益の40%を上回り、世界で一番高いと言われますが、平成23年度税制改正大綱では約12年ぶりの法人減税などが盛り込まれました。

平成23年度税制改正大綱のポイント
【企業関連】
・法人実効税率の引き下げ(国税と地方税合わせて5%引き下げる)
・中小企業の軽減税率引き下げ(3年間、18%から15%に引き下げる)
・雇用促進税制の導入(従業員を10%以上増やすなどの要件を満たすと、1人増やすごとに20万円を税額控除)
【家計関連】
・証券優遇税制の延長(上場株式などの配当や譲渡益の税率を20%から10%に引き下げる軽減措置を2年間延長)
・給与所得控除の上限設定(年収1,500万円を超えた分は控除対象外に。23〜69歳の青年扶養控除なども縮減)
・相続税の非課税枠縮小(基礎控除が従来の「5,000万円と相続人1人当たり1,000万円」から「3,000万円と相続人1人当たり600万円」に縮小)
【その他】
・環境税の導入(平成23年10月から3年半、石油・石炭税を5割ほど引き下げ)
・消費税を含む税制抜本改革案(平成23年半ばまでに成案を得る)
・社会保障・税に関わる番号制度(平成23年1月を目途に基本方針をまとめ、早期の法案提出を目指す)

平成23年度税制改正大綱のポイント
これまで、高い税率が中小企業の経営を圧迫しているという指摘や、海外企業の日本進出の妨げになっているという見方もあったため、今回の法人減税は経営者にとって歓迎すべきではあります。とはいえ、「海外と比べればまだ高い」という厳しい意見も多く、今後のさらなる減税法案が期待されます。
ただし、現在の日本は「多重債務」の状態にあります。財政は国債への依存度を高めており、総支出を見ても国債の返済に多くが回されている、いわゆる「借りたカネで返している」借金地獄の状態です。少しでも多くの企業が黒字経営となり、納税できるようになれば、国の厳しい財政状況が改善するはず。
経営者の皆さんは「俺が国を建て直してやる」くらいの意気込みをもって、黒字への転換を図りましょう。

[2011.2.1配信]

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