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事業再生の現場から

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(35)「決断」こそ経営者の才能の見せどころ!「勇気ある撤退」も道のうち

節電、冬季再開か
秋の彼岸が過ぎたとたん、あれほど悩ましかった暑さも鳴りを潜めて参りました。「冬季も再開か」と囁かれてはいますが、節電に苦心する日々も終わり、つかの間の過ごしやすい季節。個人としては食欲ばかりは季節を問わないものの、スポーツや読書、何かに専念する余裕も出てくるというものです。
古馴染みの1人は、中年を過ぎてから登山に目覚めたと言います。週末は近郊でも経験者向けのハイキングコースを攻め、まとまった連休ともなれば地方の名山に挑む、という充実した日々を送っている様子。

大切なのは「決断力」
過日、西日本を襲った台風12号は、土砂ダム決壊なども引き起こし、名の知れた山々にも大きな爪痕を残しました。先の知己は「気に入りの山小屋が流された」「楽しみに取っておいたコースが潰れてしまった」とひどく残念がっています。
名景はもとより、その地に暮らす多くの人々が日常を奪われ、不自由を強いられていることを思うと心痛止みません。営まれていた生活を一日も早く取り戻せるよう、心からお祈り申し上げます。
山好きには今さら「どうか気を付けて」とは言いませんが、もう若くはない故、無理は禁物。洒落を交えながら「“勇気ある撤退”も道のうち」と声をかけています。
逃亡か、勇気ある撤退か、同じ出来事でも評価の仕方で異なります。織田信長は元亀元(1570)年、越前の朝倉軍を攻撃すべく出陣するも後方からの挟み撃ちに遭い、急遽陣を払って逃げ帰りました。京都に戻った時には数十名の家臣しか残らなかったといいます。
この敵前逃亡が、果たして最良の判断であったかどうかは、現在でも意見の分かれるところ。しかし、大切なのは「決断力」です。

周囲の意見に耳を貸すことも必要
就職や結婚など、人生において大きな決断を迫られる場面は何度かあります。経営者ともなればなおさらのこと。なかでも、一番難しいのは「やめる」ことに違いありません。
経験者曰く「結婚よりも離婚の方がはるかに難しい」とのことですが、事業も「始める」決断よりも「やめる」決断の方が勇気も覚悟もいるのです。セントラル総合研究所は予て「中小企業にとっては“延命”にこそ意味がある」と申していますが、これは不採算でも続ければいいというわけではありません。
「選択と集中」がキーワードとなる経営環境においては、不採算事業を閉鎖することでメイン事業に経営資源を集中させるなど、前向きな意思決定が求められています。

登山も経営も、当人は「まだまだいける」と息巻いても、周りの環境がそれを許さないという場合があります。自身の状況、周囲の変化などを客観的に判断し、冷静な決断を行うと、そして時には周囲の意見に耳を貸すことも必要なのです。

[2011.10.6配信]

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