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事業再生の現場から

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(48)「人材不足」と嘆くなかれ!中小企業も人材獲得のチャンス到来
   学生の「中小企業志向」が過去最高に!

新卒採用の選考活動本格化
年度が切り替わり、新卒の学生にとっては新生活がスタートしたばかりですが、その一方で、来春の新卒採用の選考活動が本格化しています。外を歩くと、スーツ姿がまだぎこちない若者を多く見かけますが、一見しただけでは社会人1年生か、はたまた就職活動中の学生か、見分けるのはなかなか難しいもの。どちらにしても、この若者たちが羽ばたいていく世界が、少しでも明るくなるように…と祈らずにはおられません。

大企業志向は減少傾向
不安定な経済情勢と空前の就職氷河期が続くなか、「若者の大企業思考が高まっている」「中小企業には人材が集まらない」など、雇用のミスマッチが問題視されています。ところが、人材情報サービス大手、株式会社マイナビ(東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号/代表取締役社長:中川信行氏)が3月21日に発表した「大学生就職意識調査」の結果が非常に興味深いものでした。
昨年12月ー今年2月、来春卒業予定の大学3年生と大学院1年生(当時)を対象にインターネットで実施、6708人が回答した同調査によると、「絶対に大手企業がよい」「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」という「大手企業志向」の学生は前年比7.2ポイント減の36.1%に留まり、平成13年卒の調査開始以降最も低い水準となったとのことです。

大手は安泰?は過去:高まる中小志向6割
その一方で、「中堅・中小企業志向」(「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」、「中堅・中小企業がよい」)は前年比8.0ポイント増加。こちらは調査開始以来最高の59.2%を示しました。「学生の大手信仰が根強い」、「経済不安の長期化と共に高まっている」と思っていただけに、この結果はとても意外です。しかも、半数以上、6割近くもの学生が中小企業に注目してくれているというのはとても心強い気がします。
マイナビはこの結果について「不透明な経済情勢を背景に、大学の就職指導で競争が激しい大企業を避け、中小企業を勧める傾向がある」と分析。たしかに、「大手だから安泰」という考えは過去の神話となった今だからこそ、本当に成長力のある企業を冷静に見極めようとする学生が増えているのかもしれません。また、若者の個人志向の高まりから、「規模が小さくても自分がしたい仕事を」という考えが増えているのかとも思えます。

中小ものづくりの技術:優れた継承者に期待
日本が世界に誇る技術や製品には、中堅・中小企業が発案したものも多くあります。また、現在世界的に有名でも、最初は中小企業からのスタートだったという企業も少なくはありません。
中小企業は、知名度などで大手に見劣りするため、優秀な学生を採用できないなどの嘆きがよく聞かれます。しかし、この調査結果のような傾向が定着し、規模が小さい企業にも優れた継承者が集うことを期待したいものです。

[2012.4.26配信]

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