初めての方へ資金調達債務返済、債務超過不動産リースバック

TOP > メールマガジン > 事業再生の現場から > 「命を大切にするビジネス」をしよう

事業再生の現場から

メールマガジンで紹介しております「事業再生の現場から」を紹介しています。


(51)「命を大切にするビジネス」をしよう〜宮澤賢治のことば再考

「イーハトーブいわて物語〜そういう旅に私はしたい」

宮澤賢治このところ、JRを利用する度にポスターやパンフレットなど、目に留まるのが黒いお椀のキャラクター。6月末まで行っている「いわてデスティネーション・キャンペーン」、JRグループ一体となってPR、送客に取り組む国内最大規模の観光キャンペーンです。
掲げられたキャッチコピーは「イーハトーブいわて物語ーそういう旅に私はしたい」。かの地出身の童話作家であり、科学者でもあった宮澤賢治の言葉が大きく影響しています。

宮澤賢治の誕生と病没に大地震
昨年3月に発生した東日本大震災以降、自然の脅威や被災者の生活と共に、詩「雨ニモマケズ」が引き合いに出されることもしばしば。奇しくも、宮澤賢治の誕生した明治29年には三陸地震津波が、また、病没した昭和8年には三陸沖地震が発生して、岩手の地にも大きな被害をもたらしました。
東日本大震災からの復興途上に宮澤賢治の言葉が再認識されることには、様々な意味がありそうです。

「生かされている」気持ちが忘れがちに
宮澤賢治は故郷の岩手をイーハトーブと名づけ、数多くの童話や詩を創作しました。「イーハトーブ」(理想郷)という言葉はメルヘンチックな響きを持ってはいますが、代表作のひとつ『グスコーブドリの伝記』(昭和7年初出)では、冷害や干ばつによる飢饉に喘ぐ土地として、農村の厳しい生活を色濃く描いています。
この作品を読むと、我々人間が自然の中で「生かされている」ということ、しかし傲慢な人間はその気持ちを忘れがちであるということを思い知らされるものです。

原発事故:90年も前に警鐘
また、人間が作った科学文明を人間がコントロールできず、生物連鎖の絆を脅かす恐れがあるという脅威も示されており、東京電力第一原発の事故をも連想させます。90年も前の警鐘がなんとも生々しいではありませんか。物語の中で、火山局の技師となった主人公は地域の農業生産向上に貢献し、最後は自己犠牲のもとに命を落とします。
東電に彼の爪の垢でも…という思いもありますが、先ずは謙虚に、いま命をもって生かされていることに感謝し、仕事を持って働けることに感謝している次第です。そして自分も「命を大切にするビジネスをしなければ」と改めて感じています。

[2012.6.12配信]

ページトップへ