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事業再生の現場から

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(66)地域ぐるみで事業を守る!〜「給油所過疎地」のガソリンスタンド

大島渚監督給油所改修に補助金対象7千ケ所、受給は5千に留まる
平成23年2月の消防法改正で、ガソリンなどの危険物の地下貯蔵タンクのうち、設置から40年を経過したものは改修を義務づけられました。
この改修の猶予期間が、1月末で終了。数百万円かかる費用の軽減のため、政府は平成23〜24年度に補助金を出しましたが、義務化対象の7,005ヵ所のうち補助を受けたのは5,040ヵ所に留まっています。

全石連:給油所継続断念、2千ケ所の試算
補助を受けたとしても、老朽化したタンクの補強や交換は運営会社の費用負担が重く、事業継続を断念する老舗店も。収益環境悪化や後継者不足など、ガソリンスタンドの経営は慢性的な苦境に晒されてきました。加えて、今年3月末に中小企業金融円滑化法が期限切れとなり、中小企業を巡る融資環境が厳しくなることも追い撃ちをかけることでしょう。
全国石油商業組合連合会(全石連)は、平成24年度のガソリンスタンドの減少数が過去最大の2,000ヵ所に達するとの試算を出しました。

給油所過疎地は倍増
ガソリンスタンドの急減により懸念されるのが、緊急時の燃料供給や利便性が低下する地域の増加です。都市部であればいざ知らず、移動手段を自家用車に頼っているような地方に限って「次のスタンドまで数十キロ」という場合も少なくはありません。
資源エネルギー庁はスタンドが3カ所以下の自治体を「給油所過疎地」と定義しています。この給油所過疎地は、平成24年3月末で238市町村でしたが、今回の廃業続出で倍増するとみられます。

地域住民、自治体の出資で再開例も
この問題に際して、自治体や地域住民の取り組みにより、経営続行に繋がった例も報じられています。四国地方のM石油(仮称)はタンク改修のための自己資金が足りず、存続の危機にありましたが、地域住民らが出資して株式会社を設立。運営を引き継ぐこととなりました。
東北地方では、閉鎖したガソリンスタンドを自治体が引き取り、公設民営で別の企業へ無償で貸付け、再開したという例もあります。地域格差の問題が深刻化するなかで、事業継続のためには、自治体や地域住民とどのように連携をとるかも重要なポイントとなります。

[2013.2.7配信]

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