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事業再生の現場から

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(74)「事業再生のプロ」の自省〜ある日のセミナーを終えて〜

薫風の候 経営コンサルタント向け事業再生講座で講演
先だって、セントラル総合研究所の代表:八木が外部の事業再生講座に講師としてお招きいただきました。
セントラル総合研究所では毎月、相談者の方を対象としてセミナーを開催していますが、今回は経営コンサルタントの方向けに、事業再生の実務に関する講演です。
80分間で「会社分割(※1)」や「事業譲渡(※2)」の進め方についてお伝えしました。

講義は債務者に寄り過ぎ?
講義を終えて帰社した八木にスタッフが「いかがでしたか」と尋ねると、受講者の反応も概ね良く、なかなかの手ごたえを感じた様子でした。ところが、「ちょっと債務者に寄り過ぎたか・・・」と反省らしきコメントも。
聞くと、講演の最中、目の前に座っていた受講者の1人が、度々複雑そうな表情を見せていたのが気になったとのこと。 講演終了後に名刺交換をしたところ、某地銀にお勤めの方だったそうです。

事業再生は債権者の協力も不可欠
セントラル総合研究所は設立当初から「債務者主導」をモットーに事業再生を手掛けて参りました。
しかし、そのプロセスにおいては、債権者の協力も不可欠。時には金融機関をはじめとした債権者に、不利益を被ってもらわねばならない場合もあるのが実情です。
確かに、債権者の立場からすると、複雑な気分になることも無理からぬこと。かつては銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍した八木ですが、債務者と債権者とをつなぐ事業再生コンサルタントにとって、双方にとってのメリットやデメリットを鑑みる「バランス感覚」が重要であると、改めて感じさせられた一件でした。

宮中は涼しいが、人々は灼熱の風に苦しんでいる
ところで、先述の某氏がお勤めの銀行は、地域の中小企業に対して、地元の名産品を担保にしたABL(※3)を積極的に実施していることでも有名です。
立場の違いこそあれ、事業再生から経済の活性化を目指す気持ちは同じ。もちろん八木も、氏とその志を分かち合い、円満に挨拶を済ませたことは言うまでもありませんが、念のためここに記しておきます。

※1「会社分割」…会社が一部の事業部門を切り離して新会社にしたり、他の会社に移したりすること。
※2「事業譲渡」…企業の営業の全部あるいは一部をほかの会社に有償で譲渡する手段。
※3「ABL」…【Asset Based Lending】の略。動産・債権等担保融資のこと。→詳細は「事業再生用語集」をご覧ください。

[2013.6.6配信]

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