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再生事例

運送業H社

*社名、名前、場所は仮称です。

リスケジュール、任意売却の時間がない!3日で民事再生申請

  資金繰りが逼迫し、月末の手形が落とせない状況に陥ったハード物流(仮称)。債務額は5,000万円弱、不渡りまではあと3日、リスケジュールや任意売却などの悠長な手段はとっていられないが…

  「あと3日で不渡りを出してしまうんです!どうにか手立てはないものでしょうか…」

  運送業を営む馬場社長(仮名)がセントラル総合研究所に相談に来たのは、すでに月末の手形が落とせなくなってからだった。猶予はあと3日。この時間の中でリスケジュールや任意売却の手続きを進めることはまずできない。

  不渡りの回避方法は大きく分けて3つ。

  現金を掻き集めて返す、取引先に決済日を変更してもらう、あるいは法的手続きに持ち込む――。 ハード物流の場合、先の2つの方法は既に実行しており、自社はこれ以上の借入れができず、もう一度決済日を変更すれば取引先まで倒産しかねない状態である。

  コンサルタントと相談して決めた手段は「民事再生」。

弁護士に相談し、3日という異例のスピードで裁判所へ民事再生を申請することに決まった。同時に、取引先の金融機関に事情を説明して「何とか手形の処理を待ってほしい」と交渉をした。

  特急進行の末、ようやく裁判所から保全命令(支払い・手形決裁の中止)が下され、さしあたって不渡りの心配は無くなった。

債務圧縮不可能な税金が残っていた

  その後、債権者の合意も得て、一般債権は5%、金融機関債権も無担保債権については5%まで圧縮され、裁判所から再生手続の開始決定が出たのである。

  ところが、まだ問題が残されていた。

  民事再生手続開始まで、ハード物流は金融機関への返済を優先しており、約200万円の税金の滞納があったのだ。民事再生手続の開始が認められても、税金は圧縮されないしコンサルタントも支援者へは納税意識を持たしている。税務署に売掛金を差し押さえられてしまえば再生が不可能になってしまう。馬場社長とコンサルタントは税務署に向かい、事情を説明して滞納分の分納を承認してもらった。

  一刻を争うぎりぎりの綱渡りで民事再生を成功させたハード物流は現在、圧縮された債権を分割で返済しながら納税の義務も果たし、事業を継続している。

  ハード物流の民事再生成功の要因のひとつは、社長夫人がキャッシュフローをはじめ、経営数値をしっかりと把握していたことが挙げられる。再生には、実務的な経理の知識が不可欠なのである。

  本来、民事再生は申請から手続までの資金繰りを十分考慮して万全の準備を整えなければならない。弁護士やコンサルタントなど、専門家へはなるべく早く相談するべきである。このケースは、最後まで再生を諦めない経営者とコンサルタントの意思が成功を導いたと言える。

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