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再生事例

出版社A社

*社名、名前、場所は仮称です。

投資ファンドの支援を受けたものの預金を引き上げられ会社を畳もうと・・

  ベストセラーを連発しピーク時は20億円に近い売上を記録していた出版社エイジア出版(仮称)、木暮社長(仮名)は、業界特有の長い入金サイトを乗り切るため、7億円近くあった売掛金を担保に金融機関から約6億円、別の金融機関へ社債を発行するなどして約2億円を調達、それ以外にも資本政策の一環として、投資ファンドのエースホールディングス(仮称)が筆頭株主となる形で株式を保有した。

  所が折からの出版不況の影響で、販売点数は増えるが販売数量が低下するという負のスパイラルに嵌ってしまい、ついには株式を引き受けていた投資ファンドのエースホールディングスから役員が派遣され、実質的な経営を仕切られる羽目になってしまう。

  エースホールディングスから派遣されてきた役員は、出版業界に関するノウハウを何も持っておらず、ただただ「来月までに売上を2倍にしろ」「今月中に経費を30%カットしろ」「明日の13時18分までに今期の事業計画を策定し報告をせよ」と具体策を何も提示しないまま、社内を混乱させる。

  経営状況はより一層混迷を極め、このような理不尽な要求が続いたことから、当時の管理本部長であった三矢(仮名)さんが精神疾患からついにダウン、いよいよ社内の雰囲気が本格的に悪くなってきてしまう。

  こうした中、本来は支援にまわるべき立場である投資ファンド・エースホールディングスは、思うように業績が回復しない事に痺れを切らし、あろう事かエイジア出版の預金を自社へ引き上げるという最後の引き金をひいてしまう。※これは後に裁判所から詐害行為と認定される。

  こうなってしまうとプロパーの社長であった木暮社長も、手の施しようがなく自分が全ての責任を負う覚悟を固め、会社をたたむことを従業員へ告げた。

破産申請から民事再生申請へ、債権の97%をカット

  ここからエイジア出版の再生劇が始まります、当時執行役員であった高野さん(仮名)にとっても、これらの話は寝耳に水であった、高野さんは今までお世話になった、取引先や著者へ一人ひとり事情の説明をし、頭を下げに回った。

  その著者の一人がセントラル総合研究所の代表であった八木で、高野さんから話を聞いた八木は開口一番「何でもっと早く相談してくれなかったの」と、直ぐにプロジェクトメンバーを編成、八木自らの指揮でエイジア出版の再建に乗り出す。

  八木は高野さんを初めとするエイジア出版の社員へ「倒産すると今まで作ったコンテンツが全て水の泡と化してしまう、まだ不渡りを出したわけではない、十分にやり直せます」と、ひたすら勇気付けていく。

  「破産申請をやめ、民事再生法の申請による保全を考える」

  エイジア出版は早速、債権者への説明会を開き、民事再生法を申請することへの理解を求め、同時に給与等が遅配となっていた社員へも事情の説明を行い、再生に力を貸してくれる社員と共に再生計画の策定を開始。

  再生計画の策定にあたって、生活に直結する債権を持つ取引先の保護を優先に考え、連鎖倒産を回避するよう計画、30万円以下の債権を全額保護し30万円超の債権を97%カットする事で債権者の理解を得られ、民事再生法の申請から再生計画の認否まで約4ヶ月という異例の速さで、エイジア出版の再生が認可されたのであった。

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