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事業再生の現場から

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(6)経営者に朗報!連帯保証の制度が変わる?

連帯保証人制度の廃止を検討
先日、法相の諮問機関である法制審議会が連帯保証人制度について、連帯保証人を保護するための民法改正の検討に着手したと発表しました。民主党は、昨年の政権交代時から「中小企業に対する総合的な支援」として「政府系金融機関の中小企業に対する融資について、個人保証を撤廃」や「自殺の大きな要因ともなっている連帯保証人制度について、廃止を含め、あり方を検討」などの公約を掲げていましたが、ついに本格始動の様子。期待は高まります。
民主党もあえて記している通り、連帯保証による債務の問題は、国内で増加し続けている自殺の要因として上位に位置しています。また、この制度が景気回復の足かせになっている事実も見逃せません。この連帯保証人制度の廃止が実現すれば、倒産によって財産や命を失う人は激減するはずなのです。
中小企業の経営者は、会社の融資を申し込む際、多くの場合個人保証を義務付けられてきました。自宅や、個人で所有する不動産等の財産の一部あるいは全部を担保として金融機関に差し出して、万が一返済できなくなったときには、これらを丸ごとむしり取られてしまうのです。場合によっては、第三者連帯保証人の提出を求められることもありますが、これらは、大企業が銀行から融資を受ける場合にはありえない制度です。
金融機関との契約において、単に「保証人」になるのであれば「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」が認められます。「催告の抗弁権」とは債権者が保証人に債務の履行を請求したときに、保証人が、まず主たる債務者に催告をなすべき旨を請求することができる権利、「検索の抗弁権」とは保証人が、債権者に対し、主たる債務者の財産につき執行をなすまで自己の保証債務の履行を拒むことができる権利のことです。

自宅は競売、生活は破綻に
しかし、ひとたび「連帯保証人」の欄に捺印してしまうと、それらは一切認められません。主債務者がどのような状況にあろうとも、債権者から請求されたら拒むことができないのです。そのうえ、連帯保証は一括返済が基本です。こうした悪条件が重なって、連帯保証人の自宅を競売にかけられたり、生活が破綻して自殺に追い込まれたりというケースもあるのです。いわば連帯保証は「経済的人質」とも呼ぶべき制度です。
法律によって連帯保証人が保護されるというこの報道が、経営者の皆さんにとって朗報であることは間違いありません。経営継続だけでなく、事業承継や新たな産業創出のための起業が促進されることも期待できます。これまで、一度倒産した経営者が再起することが難しかった日本において、私たちが目指す「中小企業の敗者復活」にもつながることと確信しています。

[2010.7.15配信]

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