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事業再生の現場から

(168)どんなに苦しくても、●●資金は必ず確保!〜[資金繰りのタブー]あれやこれや

前回は、債務超過に陥った場合の支払いの順番について、[平時の支払い順位の逆]にするという考え方をお伝えしました。
従来は後回しにされていた経営者の給料をまず確保したうえで、取引先への支払いや従業員の給料、金融機関への返済などへ振り分ける…というやり方です。

どんな状況でも納税は必須
しかし、どんな状況にあっても間違ってはいけないのは、[納税]です。「税務署はお役所だから、滞納してもわざわざ取り立てになんて来ないだろう」などと高をくくってはいけません。

国、自治体は税収確保に躍起
資金繰り近年は自治体も国も、税収確保に躍起になっていることはお気づきでしょう。
滞納を続けているうちに、税務署や国税局は前触れもなくやって来ます。
こうなってしまえば最後。資金繰りの調整などつける間もなく一気に税金を召し上げられ、あっという間に会社を潰される羽目になるのです。

無理して返済すれば生活に影響
例えば中小企業の経営者が、手元の資金が厳しいのに金融機関に返済しようとして無理を重ねると、いずれ生活費が捻出できなくなります。
電気代やガス代、電話代等々、それらの支払いまでが万が一滞れば、現代では人間らしい生活もままならなくなることでしょう。
家族は心配し、家庭不和を引き起こす可能性も出てきます。

一括で納税無理なら分納も
どんなに資金繰りが厳しく、限られた資金でやりくりしなければならないとしても、税金だけは別枠扱いが必要です。
納税の資金が足りない場合は、一刻も早く税務署に出向いて事情を説明し、分納をお願いしてください。その一方で、金融機関への返済も、早めにリスケジュール交渉を行うことをおすすめします。

もうひとつ、どんなに資金繰りに困ったとしてもやってはいけないタブーがあります。

消費者金融は借金地獄に
それは、低利の債務返済のために高利の消費者ローンなどに手を出してしまうこと。これをやりだしてしまうと、ずぶずぶと借金地獄の深みにはまっていくことになります。
だからこそ、苦しくても経営者の最低限の生活費を最初に確保しておくことが望ましいのです。

高級車に乗ってたら社員からも信用喪失
もちろん、会社の存亡の危機に過剰な贅沢は禁物です。社員の給料が遅配なのに高級車を乗り回していたり、景気が良かった頃の高額報酬をそのまま取り続けたりしていては、周囲の理解は得られません。

給与が下がればモチベーションも低下
2番目に従業員の給料を確保するのも、同様の理由からです。収入が減ることで仕事に対するモチベーションが下がり、生産性もガタ落ち…というのは想像に難くありません。

従業員に対しては公平に
ただし、経験から申し上げると、経営者が会社の苦しい台所事情を充分に説明したうえで給料の半分を支払い、残り半分は翌月まで待ってもらうという方法は、不思議なことにモチベーションを上げる効果があるようです。
これは、[従業員全員に対して公平に行う]ことがポイントとなると言えるでしょう。


[2017.9.7配信]

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