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事業再生の現場から

(169)債務圧縮できても倒産に至る?!〜こんなに怖い●●の落とし穴

債務圧縮債務超過に陥り、支払いに優先順位をつけなければならない時のセオリーは把握していただけたでしょうか。

税務署には分納分を収める
経営者が生活費としての給料を取る従業員に、給与を支払う税務署には分納分を納め買掛金を支払い残った資金から金融機関へ返済す。
この中で、[3]の税金に関しては非常に重要なポイントとなるため、改めてお伝えしたいと思います。

納税を甘く見ると痛い目に
実は、セントラル総合研究所がこれまでに手がけた再生事例においても、苦労して金融機関の債務は何とか圧縮できたものの、最後の最後に国税当局から税金の未納を指摘されて差押さえを受け、やむなく倒産に至ったケースが少なくはないのです。
民事再生法を利用して金融機関の債務は圧縮できたとしても、未納の税金は決して消えません。
納税を甘く見ていると、痛い目に遭うのです。
上記の支払いのセオリーにあるように、借金の返済よりもむしろ優先しなくてはなりません。

なぜ、納税を優先するのか
納税が国民の義務であることはいまさら申し上げるまでもありませんが、納税を優先するのにはそれ以外にも次のような理由が挙げられます。
A.税金を滞納すると延滞金が付くうえ、利子が高い。その率は、納付期限の翌日から2ヶ月を経過するまでに最大で7.3%、それを過ぎると倍の14.6%にもなる。
B.税金は一部を納めても年度末までに全額納付できなければ次年度に持ち越され る。もちろん、これにも延滞金が付く。
C.税金と社会保険料は民事再生法が適用されても基本的には免除されない。減額もしてもらえない。また、経営者が変わっても納めなくてはならない。
D.差押さえに関して、金融機関よりも税務署の方がはるかに厳しい。
金融機関の差押さえ対象がせいぜい不動産や預金、現金であるのに対し、税務署の場合は売掛金や保証金、敷金、さらには自動車等の動産も差押さえ対象になる。

売掛金の差押えは資金繰りを困窮
売掛金を差押えられてしまえば、その後の資金繰りが行き詰まるのは目に見えています。
また、例えば運送会社がトラックを差押えられてしまうと、日々の業務に支障を来して、事業を立て直すことなど不可能となってしまうのです。


[2017.9.22配信]

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